唐紙師トトアキヒコ
Karakami-shi・Karakami artisan・Blue art Japanese culture and innovation is beautifully captured by Kirakaracho, the only Karakami atelier since 1624.

トトアキヒコInstagram
totoakihiko_kirakaracho


唐紙師。平安時代から伝わる唐紙文化の伝統を継承しつつ、現代の世にアートとして唐紙の新しい道を切り拓いた。詩情が宿る深淵なる青い唐紙作品は「トトブルー」と愛され、青の芸術、青の作家とも呼ばれる。
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唐紙師トトアキヒコのブログ(2008年5月〜2013年6月)

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雲母唐長/唐紙師トトアキヒコが奏でる光と音「雲母唐長美術館」への軌跡
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2022.12.31 Saturday
カケラ


人生はずっと選択の連続だ。
今年、高みを目指すことを人や環境などを理由に左右されて諦めたくないからある選択をした。
これまでの道はまだ続いているようにも見えたし、実際その道をまだ歩くことも可能だったのだけど、その道を道なりに歩いてゆくという選択をやめた。この選択が何をもたらすのかはわからない。ただ、道は自分で選びたいと思った。歩いても走ってもいいし、泳いでもいいし、潜ってもいい。自転車でもいいし、何か乗り物にのって飛びながら進むのでもいいし、船に乗り航海するのでもいい。目的地に向かって何でどうやって誰と進んでゆくのかを自分で決めたいから何かを理由にして誤魔化すのはやめた、他者や周囲に引きずられることなく進みたいと願うのは世間ではワガママとも言うらしい。しかし、自分の道は自分がつくるものだし、人生という物語は命ある限り続くし、命尽きても伝承される仕事をしているのだと矜持を抱きぼくは毎日生きている。

それでいいじゃないか。

青臭かろうが、果てしなかろうが、夢や理想を持ち志を抱き生きることに、ぼくはしあわせを感じる。
そして、唐紙をつくることに。



何を選ぶのか、何をするのか、誰とするのか、何にこの限られた人生時間を投資するのか。
選択の正解はいつもわからないけれど、選択した道が正しかったのだと思えるように歩みを進めることしかない。うまくゆかず、もがきながらもダメなときもあるし、間違ってしまうこともあるが、それはその失敗の中や過程になんかしら意味を見つけるという正解の種を見出すべきなんだと思う。
無理にしあわせなふりをする必要もなく、楽しそうに振る舞う必要もない、辛い時は辛くてもよいのだ。ズタボロになっても、徹底して自分と向き合った時に残るカケラを見つければよい。
きっと、見つかる。
だから、自分のことだけ考えればよい。
けれど、そのカケラが誰かのため、世界に役立つのであれば、しあわせだなぁと思うし、意味があるんだと思う。

ぼくはそう思いたい。










2022.12.31
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | 思い | 20:07 | - | - |
2022.12.31 Saturday
トトの眼897


風景
(Leica photography)


2022.12.31
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 19:53 | - | - |
2022.12.31 Saturday
トトの眼896


風景
(Leica photography)


2022.12.31
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 19:51 | - | - |
2022.06.05 Sunday
平安時代と令和の祈りのカタチ


前々から頭をかすめては通り過ぎてきた心象風景をようやくカタチにする機会が訪れました。
霊峰富士山を唐紙として顕すことは、ぼくのやるべき仕事の一つであり、今まで何度か試みたことはあるのだが、世に出すには至らず、思考錯誤してきたのですが、ある日、MIHO VILLA(吉村順三設計の迎賓館)の床の間に飾るための作品オファーが届き、ぼくはこの機会に、覚悟を決めて富士山へ挑むことにしました。

ぼくには、記憶に残る大好きな仏像があります。
唐紙にアートの道を切り拓こうと歩みはじめたばかりの頃、その志を、いち早く認めてくれたのがMIHO MUSEUMであり、2009年に初めて唐紙史上初めて、唐紙がアート作品として美術館に収蔵・展示されました。その展示作品となった「inochi」は、最後から2番目の場に会場構成として展示されていました。作品「inochi」を観た次に暗がりの部屋があり、薄明かりの中に静かに微笑む仏像があったのです。ぼくはその静かな美にどれだけ心を癒され、そして力をいただけたことか…当時はまだ、伝統工芸であった唐紙を、和室や襖などの枠を取っ払い、美術(アート)として自由に解き放つことに周囲は懐疑的であり、ぼくの思想や唐紙に対して、反発したり批評したりする人に心を痛めている時代でした。そんな中で、初めての快挙となった美術館での作品展示に、ぼくはいろいろなことを重ねて自分の作品を眺めていた訳ですが、そんな中で出会った仏さまに、当時のぼくはとても救われた気がしたのです。その頃からでしょうか、現世でああだこうだ言われても、必ずしもその人たちの意見や考えに左右される必要がないことを知りました。NOと突きつけられることは、辛いことではありましたが、歯を食いしばり、自らを奮い立たせて歩み続けるにおいて、その後の人生においても一緒にいたい、笑い合いたいと思える人を見分ける機会でもあった訳です。誤解を承知で極論を言えば、神さまや仏さま、先祖は見てくれているのだから、お天道さんに向かって自分の信じる道を歩めば良いのだと。今の評価に右往左往するのではなく、やがて時代が判断するであろうと。この頃からぼくは強くなれたのです。
そして、こうも思いました。ぼくに唐紙師としての天命があるとするならば、間違いがあれば神さまが道を正すだろうし、そもそもオファーもこないだろう、だから、自分を信じて貫こうと。
その頃から今までぼくに唐紙のオファーが途切れたことなく、ぼくは自分の信念と祈りを込めた唐紙を数百、数千…とこの世界に届けています。

この作品は、トトブルーと呼ばれる祈りの青の世界に煌めく光の波紋、その祈りの光を背景にしてぼくはその忘れられない仏像を飾る風景を思い描きながら生まれました。いにしえと今、平安と令和の祈りのカタチの共演を願いました。
ぼくが心の底から見たいと願った仏とミズハを融合させた風景は、今、この世に存在しています。
作品「ミズハ(富士山)」は、12世紀の平安時代の観音立像(興福寺千体仏)の背景に在るのです。




作品:ミズハ(富士山)
富士は不二にも通じ、古代より日本人の心の拠り所となってきた聖山です。桜の化身であるコノハナサクヤヒメを守護神とする由縁から桜文様をしのばせ、昇天する龍と共に荘厳された純白の霊峰は、二つとない、唯一無二の輝きを放ちました。清めの霊性エネルギーをもつ渦の重なりに満ちた富士の山が静かに輝きをましながら、生まれるときには、ぼくの心にはある歌が在りました。

なにごとの おはしますかは しらねども
かたじけなさに なみだこぼるる
(西行)

カミなきこの世にカミを呼び覚ます。
唐紙を通じて、東と西の世界を繋いで世界の平和を祈ること。
この作品は、祈るように生まれ、この世に顕れたものです。
そもそもぼくの唐紙は、偶然と必然、意図せぬことと意図がせめぎ合い、絡み合い螺旋を描き混ざり合い、重なりあうなかで混沌の世界から光と影を見いだすことに命を削っています。そこから生まれた陰影のゆらぎに、あたかも縋るように祈りをこめてゆくのが、モノづくりのプロセスとしてあります。

いつも、その最後の瞬間は祈るしかないのです。

技術や作為を超えたとこにある何かに触れたいと思い目指した未完の美ともいえる気配ある唐紙の世界は、陰影やゆらぎと共に見る人の心の中で完成します。
そこにはないのだけど、在る…の、ようなもの
それが、ぼくが目指す美しい唐紙です。
(2022年1月/唐紙師トトアキヒコ)








2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | 思い | 20:40 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼895


板木:光琳枝梅
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:59 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼894


唐紙:光琳枝梅
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:59 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼893


秋景色
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:57 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼892


御室八十八ケ所
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:57 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼891


風景
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:55 | - | - |
2022.06.05 Sunday
トトの眼890


風景
(Leica photography)


2022.6.5
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | トトの眼(Leica photography) | 15:54 | - | - |