唐紙師トトアキヒコ
Karakami-shi・Karakami artisan・Blue art Japanese culture and innovation is beautifully captured by Kirakaracho, the only Karakami atelier since 1624.

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唐紙師。平安時代から伝わる唐紙文化の伝統を継承しつつ、現代の世にアートとして唐紙の新しい道を切り拓いた。詩情が宿る深淵なる青い唐紙作品は「トトブルー」と愛され、青の芸術、青の作家とも呼ばれる。
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唐紙師トトアキヒコのブログ(2008年5月〜2013年6月)

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雲母唐長/唐紙師トトアキヒコが奏でる光と音「雲母唐長美術館」への軌跡
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2020.10.18 Sunday
唐紙が宇宙へ…NASAと名前が並んだ日
唐紙が宇宙へ…NASA.JPG

2020年京都国際映画祭ARTプログラム/よしもとアーキグラム 『宇宙で茶会を開いたら』〜雲母唐長と、宇宙の「芸術利用」-協力JAXA- に参画しました。
いろいろなことをこれまで、目標を立て行動してきましたが、今回の件はちょっと想定外のことであり、楽しんでいます。唐紙が宇宙へと広がりました。そして、©雲母唐長/NASAの表記は、世間にもインパクトがあったようで、多くの反響の声が寄せられました。遂に、NASAと並んだのです。
唐紙を通じて世界を平和にするという志と言霊は、ぼくが2009年の展覧会で初めて発した言葉です。唐紙の美を世界へと伝えるために、言い続けてきましたが、今回、宇宙にまで広がった形を具体的に世に示したことで、その驚きのインパクトとともに、ユーモラスさとシュールな感じに、友人知人たちからは、笑われています。アートの本質は自由とはいえ、だいぶ遊びました。振り幅を広げることも伝統文化だとぼくは思うのですが、文様や今回の写真の唐紙アート作品「星に願いを」トトブルーの世界観に宇宙飛行士さんが浮かぶ姿、その振り幅の大きさに、笑いを呼んだようです。唐紙と文様=Univesal という概念はトトさんから教えられたので、文様が日本と世界を超えて宇宙に広がるというのは、ある意味最終ゴールというよりは、原点回帰なのかもしれないですね、との言葉も頂きました。また、ある人からは、トトさんのインタビュー読んだけど、安心してして読めるよね。あなたは5年前も10年前も、ずっと変わらずに同じことをぶれずに言い続けてきて、その積み上げに、だんだん時代の方が変わってきましたよね、と。何か大きな物事を成す人には99の力で抵抗や邪魔が入り、その人を苦しめるんだよ、だけど、成功する人は100の力で突破する、その差は1。だけど、大概の人は99の抵抗でめげたり、心が折れたりするんだよね、99の抵抗というのは、本人にとっては凄まじいことだと思うしね、トトさんは、誰もやってこなかった形で、唐紙を通じて世界平和という想念を誰よりも信じやり続け、99を突破したから今のポジションがあり、唐紙をアートにした人としてオファーが絶えないんだよね…と、言われました。祈りや神さまや、先祖の魂の向き合い方や唐紙の本質の話は、昔からずっと言い続けてきたことだけど、祈りの力、目に見えぬモノへの畏怖や敬意を知り、向き合うというのは、今の世の中には、必要なことだと思います。短いインタビューだけど、ぼくが大切にしていることが散りばめられているので、ぜひ、読んでみて下さい。


■「文様」にはすべて、意味や物語があるから、見えざる力が宿ってるんです。数百年、数千年続いてきた人の祈りがあるんです。

>>唐紙の文様は、自然をモチーフにして、本当に様々な展開がありますね。

文様を紐解くと、実は、そこには神様が潜んでいるんですよ。例えば、水は浄化をあらわし、その場を空気を綺麗にするとか浄めるとか、そういう意味があったりします。
龍とか亀とかは、お守りなわけですよね。守護的な意味があったり。
例えば、みんな、大好きなさくらにしても、「さくら」は神様の名前ですから。「サ」は、山の神のことです。さくらの「クラ」は鎮座するということです。坐る、サの神が鎮座する、ということです。春になると、山からサの神様が降りてきてくれはって、さくらの木に宿って、お花を咲かす。それによって、今年も神が山から降りてきてくれはったということで、五穀豊穣の願いを奉げる…それが、さくらの名前になってたりするんですね。

旧暦の五月、皐月の「さ」もサの神様です。
田植えする女性の方々は「早乙女(さおとめ)」って呼ばれてたり、「五月雨(さみだれ)」は稲を育てるのに必要な雨を言います。そこに、「サ」がついているのは、サの神様との関わりを表しているのではと思うのです。
文様は、単なるデザインや柄、装飾ではなく、それぞれに意味があり、物語があるのが、「文様」なんです。「notデザイン」なんですよ。

意味や物語があって、それが宿っているのが文様であり、数百年・数千年単位で人間が伝えてきたものなんですね。
僕にとっては、それらの力を写し取るのが唐紙だ、といつも言っているんです、単なる色が綺麗とか柄がどうとか装飾がどうとか、そういうものではありません。八百万の神々の見えない力みたいなものが宿っていて、それが木に彫られて、板木と呼んで江戸時代から先祖代々継承しているんですけど、その神の力が彫られた木に宿る訳ですよね。戦争も火事も地震も色々な天災も人災も乗り越えて、今、現在僕たちの手元に残っているものは600枚以上。そこには、長い歴史の中、先祖が命がけで守った力がさらにプラスオンされているわけですよ。その見えざる力は、一枚の板木に宿っていると思うんです。

自分を十代遡ると、お父さんお母さんだけで千人を超えるんですよ、誰でも。ということは、千の魂がある訳じゃないですか。でも、お父さん、お母さんだけじゃないですよね。兄弟姉妹もいるだろうから、数千の魂が十代遡る時間の中にあるわけですよ。僕らは、十一代、400年ぐらい続いていますが、家族だけじゃなく、それぞれの代に関わる職人さんたちの魂も数えると、もっと大きな数になっているわけです。さらに、唐紙を愛してくれた人たちが400年間いたわけです、これはとても大事なことです。この人たちにも家族がいますので、それらを考えると、数十万、数百万の魂の恩恵を受けて、1枚の板木が、今、存在していると思えたんですね、ある時に、僕は気づいたんです。その見えざる力を写し取れてこそ、初めて、美しい唐紙は、生まれる。そこに、その祈りや神様が宿っているということがあるから、僕はそれを写し取ることによって、人々が唐紙を通じて穏やかであったり、しあわせを感じていただいたり、ひいては、世界が平和であったりするといいよなぁと思い、唐紙と向き合うようになったんです。

>>その数百年・数千年の祈りに込められた文様によって、お部屋や、その空間がまもられているということですよね。

そうそう。そういうことですよね。凄く特別な感覚があるのです。襖1枚でも、いわば、数百年前に確かに江戸時代の空気を吸ってたものから、現代の暮らしに誕生するわけじゃないですか。僕たちが伝える板木には、江戸時代からの空気を数%纏ったものが、今の暮らしに時を超えて現れるわけです、凄いことですよね。
数百年、人々を守ってきた力が今、わたしたちの生活を守ってくれるんやないかなぁと思って…。だから、僕は、唐紙って見えざる力が宿ってるんです、と、ずっと言い続けているんです。

以前は「唐紙を通して世界を平和に」と言えば、「なにを、たいそうな」って言われたんですよ。「なにをおおげさなこと、言ってるねん、あんたは」ってね。
でも、今年ちょうどコロナ禍の真っ最中に納めた作品は22m、襖でいうと24枚分ぐらいの作品で、それで1枚の絵になっているんです。そのスケール感は、唐紙史上初のことであり、世界最大の唐紙アート作品となりました。そういう作品を納めたのです。
「世界平和のために作品をつくってください」と、言われてね。時代は変わりました。
その作品の中には、未来の地球があるんです。未来の地球をみんなで描こうということで、2万人ぐらいの人に協力してもらったんです。僕には「しふく刷り」という点描とたらし込みを融合させた独自の染め技法があり、みんなで世界平和を祈りながら「しふく刷り」を行い染めるという試みに挑んだ訳です。絵具を指につけて、青い点を和紙に置いていくわけですけど、結局、22,690人の方々が志を共にしてくれました。それだけの人々と共に手がけたアート作品は、珍しいですよね。

>>指で紙に青を置いていく。署名みたいなかんじですね。平和に捺印する、みたいなかんじですね。

海のようにも、天の川にも見えるし、宇宙にも見えるし、龍にも見える。作品の前に立つと、大きな龍が畝っているように見える。ふっと見ると、作品の一番左の端のところに、龍の頭と手みたいなものが出てきたんですよ、偶然なんですけどね。みなさん、驚かれますが、作品全体に龍神さんみたいなものが顕れているんです。見えない力を信じて向き合うからこそ、見えざるものがあるとき突如として顕れてくる、唐紙にはそういう不思議があるんです。

出典:京都国際映画祭ARTプログラム よしもとアーキグラム 『宇宙で茶会を開いたら』〜雲母唐長と、宇宙の「芸術利用」-協力JAXA- (トトアキヒコインタビュー掲載記事より)










2020.10.18
唐紙師トトアキヒコ
Karakami artisan Toto Akihiko(Karakami-Shi)
| 唐紙師トトアキヒコ | 思い | 12:40 | - | - |